SF・ファンタジーの魅力は、なんといっても、
日常では味わえない世界を体験できること。
- 魔法の世界へ行ったり
- 宇宙船に乗ったり
- 現実には存在しない生き物と出会ったり
文章を読んでいるだけなのに、頭の中にはその世界の景色が広がっていきます。
以前、別の記事で 小説は「唯一無二の体験」ができる と書きましたが、SF・ファンタジーは特にその魅力を感じやすいジャンルだと思います。
そして、Audibleで耳から物語を聴くと、その体験がまた少し変わります。
プロの朗読によってキャラクターに声がつき、臨場感を持って語られることで、情景がより鮮明に浮かびます。
僕自身、すでに本で読んだ作品をAudibleで聴き直して、
「こんな場面もあったんだ!」と細部を再発見することもありました。
一方で、まったく知らないSF・ファンタジーをAudibleで初めて楽しんだこともあります。
「世界観が複雑な作品を、音声だけで理解できるの?」と思うかもしれません。
実際にいろいろ聴いてみると、ながら聴きでもどんどん先へ進める作品もあれば、少し集中して世界観を味わいたい作品もありました。
そこで今回は、年間1,000時間以上Audibleを聴いている僕が、実際に聴いて面白かったSF・ファンタジー5作品を紹介します。
単に「おすすめです!」で終わらせず、
- Audibleで聴いてどうだったのか?
- ながら聴きでも楽しみやすかったのか?
というところまで、実体験ベースで正直に書いていきます。
シリーズ作品もありますが、最初から全部を聴こうと身構えなくても大丈夫。
気になる作品があったら、まずは1巻だけでも楽しんでみてください。
物語の始まりには、そのシリーズの魅力がぎゅっと詰まっています。
① ハリー・ポッターシリーズ|初めてでも、何度でも楽しめる魔法の世界
まずは『ハリー・ポッター』シリーズです。

世界的に有名な作品なので、
「映画は見たことがある」
「名前は知っているけど、実はちゃんと読んだことがない」
という方も多いのではないでしょうか。
でも僕は、初めてハリー・ポッターに触れる人にこそ、聴いてみてほしいと思っています。
理由は、物語の始まり方がとても親切だからです。
主人公のハリー自身、自分が魔法使いであることを知りません。
ある日突然、自分の知らなかった魔法界の存在を知り、初めてその世界へ足を踏み入れます。
つまり聴き手もハリーとほぼ同じ目線で、少しずつ魔法の世界を知っていける。
設定を覚えておく必要はありません。
魔法の世界にも学校があり、授業があり、教科書があり、先生がいて、生徒同士の友情やケンカもある。
「呪文や箒の授業は楽しそう!(運動が苦手なら嫌かなぁ)」
「歴史の授業は難しそう(居眠りしている生徒がいそう)」
「この先生は嫌われてそう……」
なんて、日本で学校生活を送ってきた僕でも妙に共感できます。
そして何より、キャラクターがいい!
ハリー、ロン、ハーマイオニーはもちろん、先生、生徒、悪役、ちょっと嫌なヤツまで、それぞれ強烈な個性があります。
異世界なのに、その生活や人間関係はどこかリアルで身近に感じられる。
そのバランスが本当にすごいです。
音声で聴くと「呪文」が楽しい
音声版で特にテンションが上がったのが呪文です。
「ウィンガーディアム・レヴィオーサ!」
魔法の呪文を、実際に声で聴く。
これだけでも楽しい!テンションあがっちゃいます。
僕はすでに原作を読んでいたので、
「あの名場面が音声ではどう表現されるんだろう?」と楽しみながら聴くことができました。
初めての人はハリーと一緒に魔法界へ入り、すでに知っている人は新しい魅力を味わえる。
どちらでも楽しめる作品だと思います。
ながら聴きは?
第1巻はシリーズの導入なので、比較的入りやすいと思います。
ただ、シリーズ後半になるほど物語は長く、登場人物や設定も増えていきます。
なので最初から、「全巻制覇しよう!」と身構えなくて大丈夫です。
まずは第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』だけ。
そこから面白ければ、2巻、3巻と進んでいくのがおすすめです。
こんな人におすすめ
- ハリー・ポッターが好きな人
- 魔法や学校ものが好きな人
- 初めてハリー・ポッターに触れる人(これから初めて魔法界へ行く人)
これから初見でハリー・ポッターを楽しめる人は……正直かなりうらやましいです!
② プロジェクト・ヘイル・メアリー|「音」で没入できる宇宙SF
SFから選ぶなら、
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は外せません。

人類の存亡に関わる、とてつもなく大きな物語です。
ところが実際に聴いている感覚は、どこか密室劇に近い。
物語の大部分は、宇宙船という限られた空間で進みます。
主人公が目を覚ますと、記憶を失っている。
- 自分は誰なのか?
- ここはどこなのか?
- なぜ自分は宇宙船にいるのか?
徐々に自分の過去と使命を思い出していきます。
主人公は非常に優秀ですが、何でもできるスーパーヒーローではありません。
ひとりの人間が、目の前にある途方もない問題を、ひとつずつ考えて解決していく。
その思考を追い続ける感覚が面白いんです。
そして物語には、ある大きな転換点があります。
そこからはもう……最後まで聴くしかなくなりました。
「音」が重要な要素になり、没入感が得られる
この作品は特にAudibleでおすすめしたいです。
理由は、「音」が物語の重要な要素になっているから。
ネタバレになるので詳しくは書けません。
ただ、すでに原作を読んでいる人なら、
「あれを音声版では、どう表現するんだろう?」と気になるはず。
僕は実際に聴いて「これ以上ないのでは?(素晴らしい)」と思いました。
また、宇宙船内の音声を主人公と一緒に聞いているような感覚もあり、
自分まで宇宙船に乗っているような没入感がありました。
ながら聴きは?
上下巻を合わせると約25時間ある長編です。
それでも僕は、数字ほど長く感じませんでした。
とにかく、続きが気になる。
また、物語の舞台や登場人物が比較的限定されているため、壮大なSFのわりには状況を追いやすかったです。
科学的な話も出てきますが、僕自身、科学に詳しいわけではありません。
それでも十分夢中になれました。
シリーズ作品ではないので前提知識も不要。
まだストーリーを知らない人は、新鮮な気持ちでぜひ。
映画からこの作品を知った人にも、原作ならではの細かな描写を味わってほしいです。
こんな人におすすめ
- SF初心者
- 長編でも続きが気になる物語を聴きたい人
- 音声ならではの体験をしてみたい人
③ 精霊の守り人|じっくり聴きたい作り込まれたファンタジー
作り込まれたファンタジーを味わいたいなら、

僕が面白いと感じたのは、
架空の世界なのに、その社会までしっかり作り込まれているところです。
ファンタジーというと、冒険や戦闘といった派手な部分に注目しがちですが、
『精霊の守り人』には、王家や身分、信仰、その土地で暮らす人々の背景まで描かれていて、単なる冒険の舞台ではなく、その世界で本当に人々が暮らし、国が動いているような奥行きがあります。
ただ武器を振るって冒険するだけではない。
その世界そのものを感じられる物語です。
ながら聴きは?
ここは正直に。
今回紹介する5作品の中では、ながら聴きの難易度は高めでした。
登場人物が多く、この世界独特の用語も登場します。
僕自身、初めて聴いたときは、
「この人は誰だったっけ?」
「この言葉の意味は何だったっけ?」
となることがありました。
Audible版には主な登場人物を確認できる付属資料もあるので、分からなくなったときには確認できます。
なので、完全に流しっぱなしにするというより、
少し腰を据えて、この世界に入り込む。
そんな聴き方の方が僕には合っていました。
僕自身、もう一度聴き直して、もっとこの世界を味わいたいと思っています。
こんな人におすすめ
- 作り込まれた異世界が好きな人
- 政治や社会まで描かれるファンタジーが好きな人
- じっくり物語へ没入したい人
④ 竜の医師団|「またこの声に会えた!」シリーズを耳で追う楽しさ
ドラゴンが登場するファンタジーと聞くと、
「勇者が竜と戦う話かな?」と思うかもしれません。
でも、『竜の医師団』では、竜を診察します。

この作品の最大の特徴は、「ドラゴン × 医療」という斬新な組み合わせ。
病気になった竜を診察し、原因を考え、治療する。
慢性疾患、診断、所見……。
本格的な医療の世界と、巨大な竜が存在するファンタジーが組み合わさっています。
そもそも巨大な竜なので、患部へたどり着くだけでも大変。
しかも竜にも性格があり、診察する側も一筋縄ではいきません。
「ファンタジーで、こんな医療ドラマができるのか!」という発想が面白い作品です。
そして僕が3巻まで聴き続けた理由のひとつが、キャラクター。
それぞれ個性が強く、物語が進むにつれて愛着が湧いてきます。
「声」でキャラクターに再会できる
Audible版では、キャラクターの演じ分けも印象的でした。
落ち着いた声の人物もいれば、元気いっぱいのキャラクターもいる。
そしてシリーズの続きを再生すると、
「あ、この声は!」
「またこのキャラに会えた!」
と思えるんです。
文字で読む場合とは少し違って、声そのものがキャラクターの記憶になる。
これはシリーズ作品をAudibleで追いかける面白さだと思います。
各章の診療も、
「この竜は何の病気なんだろう?」
「どうやって治療するんだろう?」
と気になって、次へ進みたくなります。
こんな人におすすめ
- ドラゴン好き
- 医療ドラマ好き
- 個性的なキャラクターが好き
- ちょっと変わったファンタジーを探している人
⑤ ガリバー旅行記(ガリヴァー旅行記)|300年前に感じるSF・ファンタジーの源流
最後は古典から『ガリバー旅行記』

「小人の国へ行くお話でしょ?」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
ところが改めて聴くと、小人の国。巨人の国。空飛ぶ島ラピュタ。馬の国……
そのほかにも、さまざまな場所を旅します。
奇想天外な大冒険!
……と言いたいところですが。実際に聴いてみると、
ワクワクドキドキというより、どろどろ沼沼のサバイバルです(笑)
- 国同士の戦争や交渉に巻き込まれる
- 見世物にされる
- 暗殺まで企てられる
ガリバー、相当ひどい目に遭っています(それでも懲りずに冒険に漕ぎ出す)
しかも単なる冒険物語ではありません。
政治や社会、人間そのものへの風刺がかなり強烈です。
歳だけは取り続けるのに死ぬことのできない存在が出てきたり、人間によく似た野蛮な生き物「ヤフー」が登場したり。
おとぎ話としてのガリバー旅行記とはまた違う味わいがあります。
聴き直して驚いたガリバー旅行記の奥深さ
僕は以前、本でも読んでいたのですが、細かいところはかなり忘れていました。
そこでAudibleで改めて最初から最後まで聴くことで、
「そうそう!こんな話だったんだ」と再発見できたのがよかったです。
ただ後半になると、風刺や独特の世界観も強くなり、ながら聴きだけでは理解しきれないところもありました。
僕自身、「ここ、何が起きてたっけ?」となった部分もあります(笑)。
なので、全部を完璧に理解しようとせず、
奇妙な世界を旅している感覚そのものを楽しむくらいでもいいと思います。
ちなみに『ガリバー(ガリヴァー)旅行記』が出版されたのは1726年。
今年でなんと、ちょうど300年です。
そんな昔の作品なのに、小人、巨人、空飛ぶ島、奇妙な生き物たち……。
今のSF・ファンタジーにつながる要素が、これでもかと詰め込まれています。
人間の想像力の源流を覗いているようで面白い。
……などといろいろ語りましたが、
実は僕がおすすめする一番の理由は単純です。
それは、面白いから!
こんな人におすすめ
- 昔、本で読んだけど内容を忘れている人
- 古典を耳で試してみたい人
- SF・ファンタジーの源流を感じてみたい人
Audibleは、作品に合わせて聴き方を変えるともっと楽しい
今回5作品を振り返ってみて改めて感じたのは、作品によって合う聴き方が違うということです。
これはミステリーを聴き比べたときにも感じました。
今回の5作品でいうと、僕の場合は
| 作品 | 耳で聴いた印象 |
|---|---|
| ハリー・ポッター | 初めての人でもストーリーを追いやすい。既読者にも新たな発見がある |
| プロジェクト・ヘイル・メアリー | 長編だけど舞台が比較的限定され、続きも気になって聴きやすい |
| 精霊の守り人 | 人物・独自用語が多く、集中して聴きたい |
| 竜の医師団 | 声の演じ分けでキャラクターの個性がより強くなっている |
| ガリバー旅行記 | 前半は入りやすいが、後半はじっくり聴きたい部分も多い |
という印象がありました。
「せっかく音声で聴けるんだから、全部ながら聴きしなきゃ」と思う必要はないと思います。
- 家事をしながら聴く作品
- 通勤中に聴く作品
- 物語そのものに集中して聴く作品
同じAudibleでも、本によって聴き方を変える。
これも耳読書の面白さだと思います。
そしてSF・ファンタジーには、
耳から入ってくる言葉だけで、日常とはまったく違う場所へ行ける
という魅力があります。
- 魔法界へ行く
- 宇宙船へ乗る
- 異国へ入る
- 竜を診察する
- 300年前に描かれた奇妙な国々を旅する
Audibleで次に何を聴こうか迷っている方は、ぜひSF・ファンタジーも試してみてください。
シリーズ作品なら、まずは1巻だけでも十分です。
すでに大好きな作品があるなら、プロの朗読で「再聴」してみるのもおすすめ。
その世界に声が加わることで、また新しい景色が見えてくるかもしれません。
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「聴く読書」Audibleの始め方と使い方はこちらもあわせてご覧ください。
※執筆時点での記録のため、現在は聴き放題対象外の作品が含まれる場合があります。




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